ないない尽くし
「自給分だけの野菜を、自分の手でつくってみたい」。漠然とそんな考えを抱いている人は多いんじゃないかな? 「けど、何から手をつけていけばいいんだろう?」。
2005年のGW明け。昨年応募して幸いにも当選した10m2へのレンタル農園への入園がようやく可能になった。遠足でのイモ掘り以外、農作業らしきことを一度もしたこともないし、教えを請うことのできる知人もいない。本を読んで特に勉強したわけでもないし、もちろん、大学の農業化を出ているわけでもなく、実がついていてくれないことには、どれが何の作物かさえも分からない。。。畑作については、まさにないない尽くしのド素人。
誰でも最初はド素人なんでしょうが、畑を耕してから約1月と半。多分、随分とけったいなことをしでかしているんだろうなぁ、と思いつつも、撒いた種が芽を出し、ちょっとずつ育っていくのを見るのは楽しいもんです。
しばしの放置と自然栽培
入園は、5月9日からできるとのこと。これ、微妙にタイミング悪いんですね。何かアンチョコを、と購入したのは、ブティック社刊の『人に優しい・環境に優しい 有機・無農薬の野菜作り』(改訂版・2005年4月5日発行)。この本に掲載されている作物の播種時期は、5月いっぱいまでのものが多い。石灰まき、畑を耕しての堆肥の漉き込みなんかを考えると、すぐに畑作りに着手してようやく5月に間に合うかどうかといったところ。
さて、何を育成するか? トマトとか、ナスとか、家庭で多く消費するものがよさそう。稲を購入するのではなく、種蒔きからやりたかったので、既に時期を逸している感あり。ちょっとテンションのあがらない状態のまま、入園時期を迎えてしまいました。
さらに、その時期は本業のほうが忙しく、育成する作物や、方針、つまり化学肥料をバンバン使って成果優先でいくのか、味と体にもいいという有機栽培でいくのかといったこも決まらないまま、折角借りた農園も、しばらくは放置される憂き目に。ようやくできたことは、もっぱらネットサーフィンで参考になりそうなサイトをあれこれ見て、少しでも知識を頭に入れていくこと。そんな時出会ったのが、無肥料、無農薬、不耕起、無除草、無機械の『自然栽培』という手法。なまけものには向いていそう。
いい加減なスタート
さてさて、ようやく畑に出向く時間が取れた。6月11日と12日。11日にホームセンターで長靴、鍬、スコップといった農機具を取り揃え、12日に畑を耕すことに。
あ、忘れてました。11日には、種も一緒に買いました。みつば、細ねぎ、おくら、小松菜、バジル、しそ。いまから思えば、随分いい加減な買い方だと思いますが、それは、おいおい学習してゆくことにして、6月~7月が播種時期となっているものを適当に見つくろったわけです。
12日、朝から再びホームセンターに行く。土地の酸性度が高ければ、苦土石灰を撒かなきゃならない、ということなので、pH試験薬を購入。それと、さしたる根拠なく目に留まった有機配合肥料(窒素5・カリ5・リン酸5)。「え? 自然農法じゃなかったの?」というつっこみが来そう。自然農法は無肥料が基本ですが、スケベ心が出たんですねぇ。いざ始めるとなると、手元にある書籍に書かれているノーハウに頼りたくなっちゃったんです。ほんと、いい加減。ちなみに、前出の書籍は、たまたま購入しただけで、お勧めしているわけではありません。はい。
試験薬の結果は、けっこういい土だったみたいで、pHは7くらい。十分そうです。
まずやってみて、失敗すればいい
畑に鍬をどんどん入れていきます。たったの10m2だというのに、息はあがり、足元はふらふらになり、小1時間も続けると、10分休んでは10分作業をするのでやっと。2時間半ほどで、ようやく鍬入れが終わり、肥料を撒き、ようやく畝づくりに取り掛かりました。畝幅は、作物によってある程度融通が効くように、50cm×1、70cm×4、100cm×1としました。全て終わったのは、作業開始から4時間くらい経った頃でしょうか。
これまで書いてきた通り、ポリシーのかけらもないスタートのような気もしましたが、汗を流すことで、そんな躊躇も吹き飛んでしまってました。「1年目は失敗してもいい。たとえ何もできなくても」。
種を撒いたのは、肥料を鋤き込んでから、本来は10日~2週間後でないといけないとのことでしたが、その1週間後の6月19日。先のしそは、嫁がベランダのプランター栽培でやりたいとのことだったので、それ以外の5種類です。
これまでの収穫
右の写真が、現在のわが家の畑。手前から、みつば、おくら、小松菜、細ねぎ、バジル、いちばん奥が、同じレンタル農園のおじさんにもらったトマト2株(1株は、早々におそらくすずめにかじられて、小さな葉っぱが気持ち程度に伸びてきている)と、嫁が友達からもらったさつまいも7株です。肥料をやらないからか、どれも発芽、生育とも遅れているような気がしています。収穫は、間引いたみつばで2回。しかし、もっと大きな収穫は。。。
- 偏食の激しい娘が間引いたみつばを口に! これにはびっくり。とにかく、野菜類は、自分から進んで口にすることがなかったので。嫁は期待していたみたいですが。寝ていなければ、朝・晩の水やりに同行させている効果!
- いま、トマトやキュウリが収穫時期。同じ農園や、近所の農家の方々から、おすそ分けをいただいています。いえ、僕や嫁でなくて、娘がですが。見ず知らずだった人とのコミュニケーションがちょっとずつ広がっています。いまのところ貰いっぱなしなので、早く何らかの恩返しができるようにならねば!!
- 朝食を摂らない生活が15年以上続いてきましたが、近頃、たまに朝食をいただいています。雨が降らない限り、毎朝畑に行っているからだろうと思う。
- 毎日作物の育成状態を見て、主にネットで学習を続けていることで、ほんのひとかけらでも、知識が増えてきました。ド素人はド素人らしく、徒労を恐れず、前向きにがんばっていけばいい。野菜は買ったほうが何倍も安くつきますが、自分の畑をもつということは、作物の収穫以外に大きな収穫があるようです。
それぞれの作物の育成状況は、ひまを見つけてこれ以降にエントリーしていこうと思います。